2022/10/02

日曜日。窓開けっぱなしで寝落ちしてた。正午前まで二度寝する。

昼過ぎに街への散歩。ぐるぐるとあてどなく歩く。とにかく歩きたかった。自分の足でマッピングして、疎遠な土地を身近なものにしたかった。空間を歩くとはそういう儀式のようなものだと思う。中心部から少し外れた学生寮から、だいたいの検討をつけてネフスキー・プロスペクトの方に歩いていると、以前にも通ったことのある道に出た、ということに気づく。そのときにお気に入りだったアカデムクニーガという書店に立ち寄る。哲学や芸術、人類学や生物学など手広く専門書を置いている素敵なこじんまりとした本屋さん。タルコフスキーについての見知らぬ本を見つけて、ついつい2冊も買ってしまう。レジ打ちの女性に、あなたが買うのは彼についての本だけど、彼が書いた本もあって、たとえばタルコフスキーなら日記の本が最近出たよ、と言われる。いちおう知っていたけどありがたく相槌を打つ。ちなみにロシア語版の日記は、たしか2008年に出版されているはずで、紹介してくれた本は新装版か何かだろう。しかし、ドイツ語版が1989年に、英語版と日本語版が1991年に出版されていて、ロシア語版がようやく2008年になって出るというのはどんな事情があったのだろうか。

帰路も歩く。日用品とか食品とかを買うためにアシャンに立ち寄る。ちょっと歩いただけで疲れてぐったり、寮に帰って何かしようかと思ったけどベッドから動けずだらだらとして、ちょっと荷解きする。どこかに旅行しているという同室人はまだ帰ってこない。

隣人のトルコ人がつくった人参のパンを分けてもらう。そのあと、君のトイレの使い方が悪いとお叱りのメッセージが入る。これが飴と鞭か、懐柔する手段なのか。習慣的に座って致すので飛び散るわけはないのだけど。